ダブリンの見どころ<南界隈・ジョージ王朝建築エリア(1)>
DUBLIN


Dublin Georgian Southside
ジョージ王朝建築エリア
トリニティカレッジとグラフトン通りを中心としたこのエリアには、18世紀ジョージ王朝時代に栄華を誇った多くの貴族が競って邸宅を建てた。現在も広いスクエアを囲んで建つ扉のカラフルなテラスハウスや優雅なタウンハウスはダブリンの特徴のひとつ。


Trinity College
トリニティーカレッジ (1)

トリニティーカレッジはヘンリー8世の宗教改革によって没収したアウグスチヌス会の修道院の建物を利用して設立したアイルランドで最も古い大学で、イギリスの女王エリザベス1世がアイルランドに英国国教会信仰を広めるための神学校として1592年に設立した。入学できるのは英国国教会(プロテスタント)に限られたが、カトリック教徒も英国国教会に改宗すれば入学を許可された。トリニティカレッジはイギリスのオックスフォードやケンブリッジ大学の伝統に即した大学で、本国より英国国教会の規制が弱かったためイギリスのピューリタン的傾向を持った学生が多く集まった。
カトリックの入学は1873年に認められたが、カトリック教会がトリニティカレッジに入学することを強く禁止したので、1960年代までほとんどがプロテスタントの学生であった。また女性の入学は1903年にようやく認められた。今日では約8000人の学生のうち約70パーセントがカトリックである。現在はダブリン大学(Dublin University)に含まれる単科大学で、アイルランドで最高峰の大学のひとつ。カレッジグリーンに面するアーチ形の入り口の両側には18世紀の卒業生、エドムンド・バークとオリバー・ゴールドスミスの像がある。ダブリンで最も交通量の多い賑やかな一角にあるが、大学の構内は静かで鐘楼を中心に18世紀から19世紀の著名な建築家の設計による建物が整然と並ぶ。

■トリニティカレッジの卒業生■
エドムンド・バーク(Edmund Burke/哲学者・政治家)、ウォルフ・トーン(Wolfe Tone/ユナイテッドアイリッシュメンのリーダー)、ロバート・エメット(Robert Emmet/1803年の蜂起のリーダー)、ダグラス・ハイド(Douglas Hyde/アイルランドの初代大統領)、ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift/ガリバー旅行記の作者)、ブラム・ストーカー(Bram Stoker/ドラキュラの作者)、オリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith/詩人)、オスカー・ワイルド(Oscar Wilde/作家)、J・M・シング(J.M Synge/作家)、サミュエル・ベケット(Samuel Beckett/作家)、元大統領メアリー・ロビンソンや現大統領メアリー・マッカリースなど。



トリニティカレッジ
Trinity College, College Green, Dublin 2
TEL: 01-6081000
http://www.tcd.ie/
■季節や時間によって見学できない建物もあります。

スチューデントトラベル(DUST)
■季節によって閉館している場合もあります。
email: dutravel@tcd.ie

トリニティカレッジツアー
■実施:4月中旬〜10月上旬まで/10:15から40分間隔で出発/大学正面入口の建物内集合
大学の歴史、構内の建物の見学、著名な卒業生の逸話など、現役大学生が案内する。
カレッジ正面入口インフォメーションブースでお尋ねください。




9. ダブリンエクスペリエンス
■開館:5月下旬〜9月まで毎日/10:00〜17:00
ダブリンの町ができたバイキングの時代から現代までのダブリンの歴史をオーディオビジュアルで紹介する。
■料金:4.20ユーロ/学生3.50ユーロ

◆大学の構内◆
トリニティカレッジは構内に美術館(ダブラスハイドギャラリー)やケルズの書が展示されているオールドライブラリーがあり、観光客も自由に出入りできる。春から夏には現役学生による構内ツアーがあり、また、入口にある掲示板には、構内で開催されるランチタイムシアターや、展示会、コンサートなどの情報が掲載されている。


1. 鐘楼(Campanile)
スクエアの中心にある30メートルの高さの鐘楼は1853年にアーマーの大司教、ベレスフォード卿によって寄贈された。もとあったアウグスチヌス会修道院(All Hallows)の跡地の上に建てられたと言われている。

2. イグザミネーションホール/パブリックシアター
(Examination Hall / Publie Theatre)
ウィリアム・チェンバースが設計し1791年に完成した。ホールには旧アイルランドの議会に飾られていたシャンデリアやマイケル・ステプルトンによる美しい漆喰の彫刻(プラスターワーク)がある。定期的にクラシックコンサートが行われる。

3. チャペル(Chapel)
イグザミネーションホールに呼応する形で同じくウィリアム・チェンバースが1798年に設計したもの。このチャペルはアイルランドで唯一すべての宗派の人が利用できる教会。
教会の正面の窓はトリニティカレッジの初期の学生の一人で、のちにアーマーの大主教となるアシャー大主教を記念したもの。

4. ダイニングホール(Dining Hall)
1742年にドイツの建築家リチャード・カッセルス
*によって設計された。大学の関係者の肖像画が並び、「バッテリーバー」という学生食堂となっている。

トリニティカレッジ
アコモデーション

■6月中旬から9月下旬までの夏期休暇に学生寮を宿泊施設として利用できます。
問い合わせ&予約:Accommodation Office, West Capel, Trinity College, Dublin 2
TEL: 01-6081177
FAX: 01-6081267
http://www.tcd.ie
/conferences/visitor2.htm












*リチャード・カッセルス
18世紀から19世紀のジョージ王朝建築最盛期の建築家のひとり。カッセルスは他にレインスターハウスやセントスティーブンスグリーンのニューマンハウス、ロタンダ産婦人科病院を設計した。
5. ダグラスハイドギャラリー (Douglas Hyde Gallery of Modern Art)
1970年代に近代美術を後援する目的で建てられた。近代アーティストや、さまざまな実験的な芸術作品を展示している。

6. 学生寮(Rubrics)
“赤レンガの建物”は学生寮として1712年に建てられ、トリニティカレッジに現存する最も古い建物。

7. サーモンの像(Provost Salmon)
トリニティカレッジの学寮長であったサーモンは女性を大学に入学させることに猛烈に反対し「入学したいなら私の死体を超えて行け」とまで言った。1903年サーモンの死後ようやく女性の入学が認められた。

ダグラスハイド
ギャラリー
TEL: 01-6081116
■開館:月・火・水・金曜日11:00〜18:00/木曜日11:00〜19:00/土曜日11:00〜16:45



8. オールドライブラリー(Old Library)
1732年にケルズの書(Book of Kells)を収蔵するためにトーマス・バーフによって建築された。オールドライブラリーの2階はロングルームと呼ばれる
ヨーロッパで最も大きなワンフロアの図書館(64メートル×12.2メートル)

◆1階:福音書の装飾写本/ケルズの書から2ページ(デコレーションページと呼ばれる全面が装飾されたページと文字のページ)と、ダローの書、アーマーの書、ディマの書、ミュリングの書の4つの中から2ページ(合計4ページ)が毎月入れ代わり展示されている。
フロアには、アイルランドの初期キリスト教時代の背景や、装飾写本に使われた紙や色、筆などの説明がパネルやビデオで紹介されている。

◆2階:ロングルームはドーム型の天井で、2階だての本棚があり、通路にはトリニティカレッジの著名な卒業生の胸像が並んでいる。この図書館はアイルランドとイギリスで出版されるすべての本を蔵書とする権利が与えられ、約350万タイトルのうち、およそ20万冊がここに収納されている。毎年約10万冊が増え、そのコレクションのほとんどはダブリン郊外にある倉庫で保管されている。
またロングルームには、アイルランドの紋章やコインのモデルとなっているアイルランドで最も古い(15世紀か16世紀頃)ハープ(ブライアン・ボルー(Brian Boru))が展示されている。
他に、画家ジャック・B・イエーツが挿し絵画家時代の作品や、1916年のイースター蜂起で中央郵便局のポーチで読み上げられたアイルランド共和国宣言の原本が見学できる。
オールドライブラリー
TEL: 01-6082320
http://www.tcd.ie/Library
■開館:10月〜5月 月〜土曜日9:30〜17:00/日曜日12:00〜16:30
6月〜9月 月〜土曜日9:30〜17:00/日曜日9:30〜16:30
■休館:クリスマス前後10日
■料金:7.50ユーロ/学生6.50ユーロ
■ギフトショップ




コラムタイトル Book of Kells <ケルズの書>

「ケルズの書」は新約聖書の4つの福音書(マタイ、ルカ、マルコ、ヨハネ)の写本で、ラテン語で書かれ見開きで340ページ(合計680ページ)、ケルト模様の特徴である抽象的な動物や植物などのモチーフが複雑に絡み合った図柄が各ページに描かれ、ケルト文化とキリスト教文化が混合して生み出されたケルト美術の最高峰といわれている。
6世紀に聖コルンバがスコットランドの西海岸のイオナ島に設立した修道院で8世紀ごろに製作され、バイキングの襲撃に見舞われた806年に修道士がアイルランドのミース県のケルズ修道院に運んだと考えられている。1006年までにバイキングに数回にわたって略奪され、後に土に埋もれているのが発見された時には、宝石をちりばめた金の表装は奪われ、約30ページが失われていた。
16世紀の修道院の解散によってケルズの書はさまざまな人の手に渡り、1654年にダブリン城に一旦保管され、1661年、チャールズ2世によってアーマーの大主教、アシャー大主教の母校であったトリニティカレッジに寄贈された。




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