ダブリンの見どころ<北界隈・ジョージ王朝建築エリア(1)>
DUBLIN


Dublin Georgian Northside
ジョージ王朝建築エリア
18世紀、パーネルスクエア界隈は貴族や大主教、議員が邸宅を構える「宮殿通り」と呼ばれ、スクエアのガーデンで行なわれたイベントには美しい衣装を身にまとった紳士、淑女が華麗な馬車で乗り付けた。現在は残念ながらその面影を偲ばせるものは少ない。


Parnell Square
パーネルスクエア (70)

オコンネル通りの北、パーネルスクエア(当時は総督の名前からルットランドスクエアだった)は、病院、映画館、劇場が並びかなり古い時代の建物という印象がある。かつてはこの界隈は多くの貴族や議員の大邸宅が軒を列ねる「宮殿通り」で、スクエアに作られたガーデンでは華やかなダンスやクラシックコンサートが頻繁に行われていた。

1748年、婦人科医だったバーソロミュー・モス医師がヨーロッパで最初の産婦人科を専門とする無料の病院を建築するため、未開発だったこのエリアを買い取った。上流貴族の社交場としてプレジャーガーデンやアセンブリールーム、ロタンダルームを建ててイベントを行い、その収益を病院の建築と運営の資金にあてた。当時はスクエアの周辺には豪華な馬車が横付けされ、美しく着かざった貴族たちがこのスクエアに集った。

「宮殿通り」はやがてリフィー川の南界隈の開発と、1800年の合邦法(アクトオブユニオン)によって住民を失い衰退していった。



パーネルスクエア
■アクセス:トリニティカレッジから徒歩約12分




パーネル通り(Parnell St.,)のコンウェイパブ(Conway's Pub)は1745年に建てられ、北界隈でもっとも古いパブ。ロタンダ病院が開業してからは妻の出産を待つ夫の待ち合い室兼憩の場となっている。パブはかつて‘ドイルズ(Doyle's)’という名で、マイケル・コリンズもよく出入りしていた。イースター蜂起の後、コリンズはパブの曲がり角で英国人警官に捕えられた。
71. ロタンダ産婦人科病院(Rotunda Maternity Hospital)
モス医師の友人だった建築家リチャード・カッセルスが設計し、1757年12月に病院が完成した。2階のバロック様式のチャペルには
マホガニー材で作られた座席や彫刻を施した柱、美しいステンドグラスやロココ調のしっくい細工があり、建築当初は絶賛される程の美しさであった。モス医師は1759年、チャペルの完成の3年前に47歳で亡くなった。
ロタンダ病院は今日も変わらず開業している。

ロタンダ産婦人科病院
Parnell Square West, Dublin 1
72. ロタンダルーム (Rotunda Room)
病院の東側の円形(ロタンダ)の建物、ロタンダルームは1764年に病院運営の資金作りのコンサートやパフォーマンスを行うために建てられたもので、チャールズ・ディケンズが朗読を行い、作曲家ジョン・フィールドがピアノリサイタルを行った。現在は映画館/アンバサダーシネマ(Ambassador Cinema)となっている。

ロタンダルーム/アンバサダーシネマ
Parnell Square, Dublin 1
73. ゲート座(Gate Theatre)
1786年に建築されたアセンブリールームの一部は、1928年にヒルトン・エドワーズとマイケル・マクリアモアが設立した劇場、ゲート座として使われるようになった。ゲート座はアビー座に対して広くヨーロッパの劇作品を発表する実験的な劇場として国内外にアピールした。オルソン・ウェルズやジェームス・メーソンは芸能生活をここで始め、国際的な評価を得た。マイケル・マクリアモアは1975年、76歳で引退するまでワンマンショー(オスカーワイルドを題材にした劇/The Importance of Being Oscar)は全1384回を数えた。

ゲート座
1 Cavendish Row, Dublin 1
TEL: 01-8744045
http://www.gate-theatre.ie■オフィス営業:月〜土曜日10:00〜19:00
■料金:20.00ユーロ
74. 記念公園(Garden of Remembrance)
パーネルスクエアの北の端は、モス博士のプレジャーガーデンの一角で現在は1916年のイースター蜂起を記念する公園となっている。1913年にアイルランド義勇軍がここで結成され、またイースター蜂起で降伏した兵士らがキルメイナム刑務所に連行される前夜ここに留置された。イースター蜂起から50年目の1966年に記念公園が作られ、中央の十字架の形のプールには壊れた剣や盾のモザイク模様がある。古代ケルトの習慣で戦いが終わると武器を川や湖に投げ入れ神に返したことから、平和への願いが込められている。正面にはオイシン・ケリーによる、アイルランドの神話の白鳥に変えられた『リーの子(Children of Lir)』のブロンズ像がある。

記念公園
Parnell Square East, Dublin 1
TEL: 01-8743074
■開園:11月〜2月 11:00〜16:00/3月〜4月・10月 11:00〜19:00/5月〜9月 9:30〜20:00

『リーの子(Children of Lir)』海の神リーの3人の子供は、まま母の嫉妬心から白鳥に変えられ、900年間をアイルランドの湖で生きることを命じられた。


Hugh Lane Municipal Gallery of Modern Art
ヒュー・レーンアートギャラリー (76)

ヒュー・レーンアートギャラリーには、マネ「チュイルリ−公園のコンサート」(Le Concert aux Tuileries)、モネ「ワーテルロー橋」(Waterloo Bridge)、 ドガ「オンザビーチ」(On the Beach)他ゴーギャン、ルノワールなどのフランスの印象派の作品や、J・B・イエーツやウォルター・オズボーンなどの20世紀のアイリッシュアーティストの作品も展示されている。またハリー・クラーク、ウィルヘルミナ、エビーホーン、ジェームズ・スカンロンによるステンドグラスは必見。2001年にはロンドンのフランシス・ベーコンスタジオがそのままヒュー・レーン市立画廊の2階に引越し、ロンドンのスタジオと全く同じ状態で展示されている(その引越し作業には考古学者も参加した)。

ヒュー・レーン
アートギャラリーの建物は1762年にスコットランドの建築家ウィリアム・チェンバースによって設計されたジョージ王朝建築のタウンハウスでチャールモント伯爵の邸宅だったもの。マリノにもチェンバースが設計した別荘(カジノマリノ)がある。

ヒュー・レーンアートギャラリーに収蔵されている絵画は1908年にアメリカ人の画家、ヒュー・レーン(作家グレゴリー婦人の甥)が所有していたフランスの印象派の絵画を寄贈したものである。ヒュー・レーンはすべてのコレクションを遺言によってダブリンに贈るつもりであったが、それにはそのコレクションを展示する新しい美術館を建築することを条件とした。しかしダブリン市がなかなかその条件を受け入れず、憤慨したヒュー・レーンは、39作品をロンドンへ寄贈するという補足遺言書を作った。ところがダブリン市からチャールモント伯爵の邸宅を美術館にするという申し出を承諾した直後の1915年にヒュー・レーンは不慮の事故によって亡くなった。その後「すべての作品をダブリンに寄贈する」という署名のない別の補足遺言書が発見され、アイルランドとイギリスがその所有権をめぐってもめることとなり、ようやく1959年、作品を半分ずつ、ロンドンの大英博物館と5年ごとに交換して展示するということで同意に至った。
ヒュー・レーン
アートギャラリー
Charlemont House, Parnell Square North, Dublin 1
TEL: 01-8741903
http://www.hughlane.ie
■開館:火〜木曜日9:30〜18:00/金・土曜日9:30〜17:00/日曜日11:00〜17:00
■休館:月曜日
■アクセス:トリニティカレッジから徒歩約15分
■無料(フランシス・ベーコンスタジオ:3.50ユーロ)
■カフェ/ギフトショップ
■日曜日にはコンサートやレクチャーも行なわれる



Dublin Writers Museum
ダブリンライターズ博物館 (77)

アイルランドは4名のノーベル文学賞受賞者(ジョージ・バーナード・ショウ/W・B・イエーツ/サミュエル・ベケット/シェイマス・ヒーニー)をはじめ著名な文学者を数多く排出している国。ライターズ博物館はジェームズ・ジョイス、ジョナサン・スウィフト、オスカー・ワイルド、ショーン・オケイシーなどダブリンに縁りのある作家の初版本、手書きの原稿、手紙、肖像画や記念品などを展示している。また期間限定の展示や、詩の朗読、レクチャーも行われ、地下の本屋では廃刊となった本の検索サービスも行なっている
また博物館の
建物は18世紀のジョージ王朝建築のタウンハウスで、建物そのものも一見の価値がある。作家の肖像画が並ぶギャラリー(Gallery of Writers)の扉や壁には漆喰彫刻家であるマイケル・ステイプルトンによる金色の装飾が施され、「芸術、文学、音楽、科学」を表現した階段の窓のステンドグラスなど、パーネルスクエアが「宮殿通り」と呼ばれていた時代の優雅な生活が想像できる。

アイリッシュライターズセンター(Irish Writer's Centre)
ライターズ博物館の左隣にあるライターズセンターでは現在作家を目指す人々のためのアトリエや、詩や文学の講義、セミナーなどを行っている。

75. 長老派教会(Abbey Presbyterian Church)
ライターズ博物館の右隣は長老派教会。細い尖塔があるゴシックスタイルの教会で1864年に建設のための資金を提供した食料品店であり醸造者アレックス・フィンドレーターにちなんで「フィンドレーター教会」と呼ばれている。
ダブリンライターズ博物館
18 Parnell Square North, Dublin 1
TEL: 01-8722077
■開館:9月〜5月 月〜土曜日10:00〜17:00/日曜日、祝日11:00〜17:00
6月〜8月 月〜金曜日10:00〜18:00/土・日曜日、祝日11:00〜17:00
■アクセス:トリニティカレッジから徒歩約15分
■料金:6.25ユーロ
■カフェ/書店
■日本語ガイドカセット有

アイリッシュライターズ センター
19 Parnell Square North, Dublin 1
TEL 8721302
http://www.writers
centre.ie/




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