ダブリンの見どころ<南界隈・ダブリン歴史エリア(3)>
DUBLIN


The Guinness Brewery and Storehouse
ギネス工場とストアハウス (50)

セントジェームスゲート(St James's Gate)のギネス工場に近付くと、巨大な煙突から噴き出すモルトのにおいが漂ってくる。ギネスは「スタウト」と呼ばれる独特の麦芽の味とクリームのように濃い泡の黒ビール。26ヘクタールのギネス工場では1日に400万パイントのギネスビールが製造が可能である。世界51カ国にギネスビール醸造所があり、150カ国で販売され、世界中で1日におよそ500万パイントが消費されている(1995年現在)。

1759年12月、34才のアーサー・ギネスは10年以上営業を停止していたセントジェームスゲートの1.5ヘクタールのビール工場を9000年間、年45ポンドの賃貸料でリース契約にサインをした。アーサー・ギネスは27才で100ポンドの遺産を手にし、キルデア県にあった小さなビール工場で4年間ビール造りを学んだ。当時ダブリンにはおよそ55軒のビール工場があった(セントジェームスゲートだけで10軒)が全く不振で輸入ビールにおされ、地方ではウィスキーやジンが多く消費されていた。ギネスはまず「エール」の製造を始めた。そして当時ロンドンでローストした大麦を加えた「ポーター」という黒いエールが人気があったことに目をつけ、すぐに「エール」から独自の製法の「ポーター」に切り替えた。「ポーター」は発売直後からアイルランド中で大評判となり、10年後の1769年にはギネス社の「ポーター」を積んだイギリスへの船の第一便がダブリン港を出航した。

ギネスストアハウスは1907年のビクトリア王朝建築の建物で、巨大なパイントグラスにギネスの原料や製造行程、ビールの輸送方法、ギネス社の歴史や資料、広告などが臨場感いっぱいに展示されている。大人には1パイントのギネスが無料でふるまわれ、またできたてのギネスを味わうことができるレストランやショップもあり、最上階のバー「Gravity Bar」ではダブリン市内が一望できる。
ギネスストアハウス
St. James Gate, Dublin 8
TEL: 01-4084800
http://www.guinness
-storehouse.com
■開館:9月〜6月毎日9:30〜17:00
7月〜8月毎日9:30〜21:00
■休館:イースター、
クリスマス
■アクセス:バス(No.51B、78A/ASTON QUAY
から、123/O'CONNELL STREETから:THOMAS STREET下車)
■料金:13.50ユーロ/学生9.00ユーロ
■バー&レストラン



1960年代までギネスビールの樽は馬が荷馬車で(または小さな列車が)ギネス工場から埠頭まで運び、そこからてんま船でリフィー川を下ってダブリン港へ運ばれた。およそ200年の間、ギネスビールの樽が川を何度も行き来する光景が常に見られた。



コラムタイトル ギネスビ−ルのetc...

●アイルランド以外のギネスビールの消費国第1位はイギリス、第2位はナイジェリア。
●水はキルデア県の聖ジェームスの泉(St James's Well)から直接ポンプでひき、常時200万ガロン(1日分)の水が工場内にストックされている。
●「ポーター」という名前の由来は、ロンドンのコベントガーデンやバイリングスゲートの門番(ポーター)がその黒い「エール」をよく飲んでいたため「ポーター」と呼ばれた。「スタウト」という名称は1920年から使われるようになった。
●ギネスビールロゴマークのハープはアイルランドの公式紋章の反対。これはギネスのウィット?!。
●ギネスブック(ギネス・ワールド・レコーズ)は、現在ギネス社の関連会社「ギネス・ワールド・レコード社」が発行しているが、これはロンドンのある出版社の社員がパブでの雑談で浮かんだアイデアを、当時ギネスビールの販売促進策を考えていたギネス社に提案し、1955年8月にギネスのロゴマークを入れた宣伝本として「世界一」を集めた「ギネスブック」を創刊した。


St. Patrick's Hospital
聖パトリック病院/スウィフト病院 (51)

聖パトリック病院は、ジョナサン・スウィフトが自らの遺産を精神病院の建築費用に寄付したので「スウィフト病院」とも呼ばれる。スウィフトは晩年、めまいの症状を精神異常による兆候と勘違いし自分が狂気に陥る恐怖にさいなまれた。遺言には「精神病患者のために寄付をする。どの国家もあまり多くあって欲しいとは思わないであろうが」とスウィフトらしい皮肉が込められている。1749年に完成し、ヨーロッパでは最も古い。
聖パトリック病院
■アクセス
ヒューストン駅横
バス(No.90/ASTON QUAYから:HEUSTON STATION下車)


Irish Museum of Modern / Royal Hospital kilmainham
アイルランド近代美術館/ロイヤルホスピタルキルメイナム  (52)

1684年にウィリアム・ロビンソンの設計で、退役兵士の施設としてパリのアンバリッドをモデルにして建てられたロイヤルキルメイナムホスピタルは、中庭を囲むエレガントなクラシック建築で17世紀で最も美しい建物の一つ。1669年に総督となったオーモンド公爵がフランスに亡命していた間にパリのアンバリッドに感銘を受け建築した。バロック風の礼拝堂には詳細な彫刻やステンドグラス、かつての食堂とレクレーションルームだった北側のグレートホールには歴代の君主や総督の肖像画が並び、現在はコンサートホールになっている。1927年までおよそ250年間退役兵士の施設として使われたが老朽化が進み、1986年に2千100万ポンドをかけて修復が行われ、1991年にアイルランドの近代美術館 (Irish Museum of Modern Art/IMMA )としてオープンした。ピカソ、ミロ、モジリアーニの他、リチャード・ロング、ジュリアン・シュナベル、レイチェル・ホワイトリードなど内外の近代アーティストによる作品の展示を行なう一方、アトリエや近代芸術を推進する学術機関としてさまざまなアート作品の発表を行ない、理解と振興を計っている。
アイルランド近代美術館
Royal Hospital, Military Road, Kilmainham, Dublin 8
TEL: 01-6129900
http://www.modernart.ie
■開館:火〜土曜日10:00〜17:30/日曜日、祝日12:00〜17:30
■休館:月曜日、イースター、クリスマス
■アクセス:バス(No.90/ASTON QUAYから:HEUSTON STATION下車/ヒューストン駅から徒歩約5分)
■無料/(北ウィングのガイド付ツアー/5月末〜9月末/料金:3.50ユーロ)
■カフェ/ギフトショップ



Kilmainham gaol
キルメイナム刑務所 (53)

キルメイナム刑務所はフランス革命やアメリカの独立戦争に刺激を受けアイルランド国内で国家主義者による反乱の気運が高まった1796年に建てられた。1798年のユナイテッドアイリッシュメン、19世紀の青年アイルランド党やフィニアン運動などの反乱、1916年のイースター蜂起の指導者など、1924年に刑務所が閉鎖されるまで約130年の間に10万人以上を収容してきた。
キルメイナム刑務所は石灰岩で作られたため、雨の日には水がもれ、湿気と冷気によって収容者のほとんどが健康を害した。大飢饉がもっとも深刻な1845年から1847年には、食物を盗んだり施しを請うなど、刑務所は貧窮に苦しむ人々であふれた。
刑務所の最後の収監者は内戦で連行された、後にアイルランドの大統領となったイーマン・ドゥ・バレラで1924年7月に釈放された。
キルメイナム刑務所は、閉鎖後老朽化するまま放置されたが、もと収容者など有志が民族運動の記念碑としてこの建物の保存運動を始め、1984年に博物館としてオープンした。

ガイド付きツアーでは、収容所や独房を見学、劣悪な環境やさまざまなエピソードが語られる。ネームプレートには、アイルランドの歴史を飾った収容者の名前がそのまま残されている。最後には刑務所の中庭で行われた処刑の様子が詳しく説明される。

セントラルホールにはキルメイナム刑務所の歴史や収容者の私物が展示され、中庭には1914年にアースキン・チルダースがドイツから900本のライフル銃を運んだヨット(Asgard)も置かれている。

刑務所内のチャペルでは、1916年5月4日、イースター蜂起のリーダーの一人であったジョセフ・プランケットが処刑の数時間前に、同じく収監されていたグレイス・ギフォードと薄暗いチャペルのキャンドルライトの下、結婚式を挙げた。英国の兵士が銃をかまえる中で誓約が読まれた直後に2人は引き離され、処刑の直前に、たった10分間だけ2人はいっしょにいることが許されたというエピソードがある。
キルメイナム刑務所
Inchicore Road, Kilmainham, Dublin 8
TEL: 01-4535984
http://www.heritage
ireland.ie
■開館:ガイド付ツアー
4月〜9月 毎日9:30〜17:00
10月〜3月 月〜土曜日9:30〜16:00/日曜日10:00〜17:00
■アクセス:バス(No.51B、78A、79/ASTON QUAYから:OLD KILMAINHAM下車)
■料金:5.00ユーロ/学生2.00ユーロ


収容所は、映画「マイケルコリンズ」や「父の祈りを」の撮影現場として使われた。





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