アイルランドの社会



教育制度
アイルランドでは義務教育は6才から15才。第一レベルスクールから第三レベル教育まで国立学校は教育費は国が負担する。9月から始まり6月に終了。イースターとクリスマスに休暇がある。

 

<プレスクール>(幼児教育)(Pre School)
1995年より幼児教育の正式なカリキュラムを枠づくりした幼児教育プログラムが始まり、近年、5才以下の幼児が小学校に付属の学校や、私立のモンテッソーリ学校
*1などに通う傾向にある。またトラベラーズの子供たちの学校や擁護学校なども設立され、国から交付金も支給されるようになった。

<第一レベルスクール>(小学校)(First-level School)
4才から12才の8年制
*2
大多数(およそ98%)の子供たちは教区の教会(カトリック、プロテスタントなど)が運営するミッションスクール(国立)に通う。それぞれの学校が、親、教師、地域共同体の代表者を含む管理委員会によって監督されている。カリキュラム(教育課程)は教育課程評議会が定め、教育省(Department of Education)の検査官チームが各学校において教育規定が正しく運営されているかを監督する。
現在のカリキュラムは、数学、国語、アイルランド語、歴史、地理、芸術、音楽、技術、社会と環境、体育
*3
休憩、集会時間を含んで学習時間は5時間40分、就学日数は1年間183日以上。

2002〜2003年度には全国に3,283校の第一レベルスクール(国立の学校)があり、24,700人の教師に443,720人の児童が就学した。
(このうち援助を必要とする子供達に資金を提供する特別学校と私立学校128校がある。またすべての授業をアイルランド語で行なう学校も近年生徒数を増やしている。)
*1-イタリアの女性医学博士マリア・モンテッソーリが実践した幼児教育法。



*2-8年制の最初の2年は幼児クラスとなる(幼児クラスは義務教育ではない。生徒は4才、5才、6才で入学時期を選ぶことができる。たいていの子供が5才で入学する)。



*3-現在、修正されたカリキュラムが段階的に実行されている。修正カリキュラムは科学と社会、個人と健康教育、そして既存の科目に新しく改定を加えたもの。
<第二レベルスクール>(中学校と高等学校)(Second-level School)
第二レベルスクールは13才以上から最高18才まで5年ないし6年制。ジュニアサイクル(中等部/3年間)とシニアサイクル(高等部/2年)の2期に分かれ、ジュニアサイクルまでが義務教育となっている。
※ジュニアサイクルとシニアサイクルの間に1年間の移行年課程(Transition year)を受けることができる
*4
2002〜2003年度には全国に746校の第二レベルスクール(国立)があり、25,692人の教師におよそ339,231人の生徒が就学した。

●ジュニアサイクル(中等部/3年間)
セカンダリースクール(Secondary school)、専門学校(Vocational school)、地域学校(Community school)、総合学校(Comprehensive school)の4種がある。
ジュニアサイクルの教科:アイルランド語、国語、フランス語(ドイツ語/スペイン語)、数学、科学(物理学/化学/生物学)、歴史、地理、宗教教育、社会/政治教育、体育、音楽、他に2つの選択科目。ジュニアサイクルを修了時に卒業試験を受け『ジュニアサイクル修了証明書』が授与される。

・セカンダリースクール:教区の教会(カトリック、プロテスタントなど)が運営するミッションスクール(国立)。そのうち50校ぐらいがボーディングスクール(寄宿舎のある学校)である。ジュニアサイクルのカリキュラムに基づいて授業が行なわれる。
2002〜2003年度:全国に410校/生徒数189,093人

・専門学校:地方の専門学校教育委員会を通して無宗教で運営される国立の学校で、必修科目に加え技術者教育が行なわれる。専門学校修了後も、広範囲の継続教育と訓練学習を考案し実行している。2002〜2003年度:全国に247校/生徒数98,233人

・地域学校:必修科目に加えて専門教育が行なわれ、地域密着型の学校で、地域の一般の人も学校の施設を利用することができる(国立)。

・総合学校:必修科目に加えてノンアカデミックな科目から選択できる(国立)。
2002〜2003年度(地域学校と総合学校併せて):全国に89校/生徒数51,905人

●シニアサイクル(高等部/2年間)
シニアサイクル(2年制)は、卒業後の進路によって3種類の『卒業証明書』課程を選択する。
シニアサイクルの教科はジュニアサイクルから引き継がれたものであるが、必修科目は以下3種類の卒業証明書コースによって異なる。

・「シニアサイクル卒業証明書」(The Leaving Certificate Programme)最も一般的。少なくとも5教科を選ぶ必要がある(多くが7科目選択する/数学、国語、例外を除いてアイルランド語と外国語は必修)。第三レベル教育へ進む場合はこの課程を選択し、シニアサイクル終了時(17才または18才)に「シニアサイクル卒業証明書」試験を受ける
*5。その試験結果に応じて入学できる大学がほぼ決定される。この課程を完了する学生のおよそ半分が第三レベル教育に進む。

・「職業プログラム卒業証明書」(The Leaving Certificate Vocational Programme(LCVP))1989年に導入された職業訓練や技術者教育を目的とした課程。専門の2科目(外国語と企業教育)と「シニアサイクル卒業証明書」と同じ5科目を受ける。(「シニアサイクル卒業証明書」に職業学習が加わったプログラム。)

・「応用卒業証明書」(The Leaving Certificate Applied)2年間のプログラム。第三レベル教育へ進まず、就労する生徒のための職業専門学校。課程を修了した生徒は訓練学校(Post Leaving Certificate)に進むことができ、職業訓練や体験を行なう。

*4-●移行年課程(1年間)
ジュニアサイクルを修了後シニアサイクルへ移行するまでに1年間の“移行年課程”を受けることができる。学校によって必修または選択で、移行年課程を設けていない学校もある。移行年課程ではガイドラインに沿って学校によって計画されたカリキュラムに従う。試験のための勉強を離れ、必修科目の他に、例えば劇文学、キーボード技能、園芸、自動車メンテナンスなどを選択でき、またアウトドア体験、職業体験などを通じて責任感を養い、人間としての豊かな知識を身につけることが目的。

































*5-実用課目の筆記試験の他、芸術、エンジニアリングなど特定の科目の研究、アイルランド語と外国語の会話試験がある。各試験の点数の合計によって第三レベル教育の学校が決定するためポイントレースと呼ばれる。


<第三レベル教育>(大学)(Third-Level Education)
第三レベル教育は、総合大学、技術研究所、専門学校、教育大学があり、これらは国立で国が費用を負担する。2002〜2003年度には第三レベル教育に在籍する学生は129,283人(1989年には62,970人だった)。

アイルランドには4つの総合大学がある。
●ダブリン総合大学(Dublin University)/トリニティカレッジ(Trinity College)
(※トリニティカレッジはダブリン総合大学の単科大学)。
●アイルランド国立総合大学(National University of Ireland/NUI)4校(ダブリン、コーク 、ゴルウェイとマヌース)。(他に国立外科医大学(Royal College of Surgeons)と国立アートとデザイン大学(The National College of Art and Design)もNUIの単科大学)
●リムリック大学(University of Limerick)
●ダブリン市立大学(Dublin City University)
(リムリック大学とダブリン市立大学は1989年に独立した大学として設立された。)

◇技術研究所(Institutes of Technology)
応用科学や技術教育、特に最先端技術を学ぶ。現在13か所の技術研究所があり、特にダブリン技術研究所(The Dublin Institute of Technology)は最大級でおよそ22,000人の学生が就学する。
◇専門学校
エンジニアリング、コンピューター、科学、ビジネス、 サービス業などを専門に学ぶ。
◇教育大学
第一レベルスクールの教員養成学校は現在5校(ダブリンに4校とリムリックに1校)、3年制
*6
◇このほか第三レベルの教育機関として医学、獣医学、建築学、歯科医術、法律、公共行政、芸術、音楽などがある。また近年私立大学もいくつか設立され、主にビジネス関連の教育を行っている(およそ10万人の学生が就学する)。

大学や他の第三レベル教育以外に各職業協会から職業訓練コースが設けられている。実習生のために実践準備コースなどが各地の専門学校や技術研究所から実施されている。ジュニア/シニアサイクル修了生だけでなく、さまざまな人々が職業訓練を受けることができる。
大学での就学年数に応じて以下の修了証が授与される。
・National Certificate
修業証書(2年間の就学)
・National Diploma
卒業証書(2年間の修業証書を取得後、1年間の就学/合計3年間)
・Graduate Diploma
卒業証書(専門学校において1年間の就学)
・Bachelor's Degree
学士号(3年ないし4年間の就学)
・Bachelor's Degree (Honours)
学士号(優等)
・Master's Degree
修士号(学士号を取得後1年ないし2年間の就学)
・Master's Degree (Honours)
修士号(優等)
・Doctor's Degree(PhD)
博士号(最低3年間の研究。博士号を取得後さらに5年以上の研究で高等博士号)


*6-小学校以下の教員資格は教育大学で3年間、教育学の学士号を取得する。第二レベルスクールの教師は学士号と教育学の修士号を取得しなければならない。専門学校教育委員会が雇用した教師は学士号のみ、また専門科目の教師はその分野で適切な資格を持っていなければならない。


近年アイルランドの教育制度において、生涯学習が盛んに行なわれ、各大学の夜間などでさまざまな講座が一般市民に公開されている。





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