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想いをつなぐ相続と遺言 表紙

想いをつなぐ 相続と遺言

~行政書士がわかりやすく解説~

相続

人はこの世に生まれ、家族のあたたかな愛に包まれて育ちます。やがて、人生をともに歩む大切な人と出会い、結婚という節目を迎えます。仕事に励みながら、子どもの成長を見守り、そしていつか、その巣立ちをそっと後押しする日がやってきます。退職後は夫婦で趣味を楽しんだり、旅に出かけたりして、穏やかな時間が人生に彩りを添えてくれます。

けれども、どれほど幸せな日々であっても、いつかは「人生の終わり」を迎えるときが訪れます。大切な人を見送ることになったとき、残されたご家族には、深い悲しみとともに「相続」という現実的な手続きが待っています。

相続の手続きは、気持ちの整理がつかないうちに始まります。まずは、「どなたが相続人となるのか」を確かめ、財産の内容を調べたうえで、3か月以内に引き継ぐかどうかの判断をしなければなりません。さらに、相続税の申告と納税には10か月という期限があります。相続人がご兄弟姉妹や、あまり交流のなかった甥や姪である場合には、遺産の分け方をめぐって話し合いが必要になることもあります。その後も、預貯金の解約や不動産の名義変更など、対応すべき手続きは多岐にわたります。

こうしたご家族の負担を少しでも軽くするためには、「あとは家族に任せればいい」と考えるのではなく、お元気なうちから準備を始めておくことが大切です。たとえば、有効な遺言書を作成したり、エンディングノートに大切な情報や想いを書き残しておくだけでも、ご家族は安心して手続きを進めることができます。また、ご自身の財産を整理し、「どの人に、何を、どんな気持ちで託したいか」を明確にしておけば、相続をめぐるトラブルを防ぐことにもつながります。

相続について正しく知り、前もって備えておくことは、「今」を安心して生きること、そして大切な人たちへ想いをつないでいく第一歩です。できることから少しずつ始めて、未来への安心をご家族とともに築いていきましょう。


ご家族の逝去後の諸手続き一覧チェックリスト

※本ページは、当事務所の専門冊子『想いをつなぐ相続と遺言』より、主な手続きを整理して掲載しています。

期日 手続き内容 対象となる人 手続き先
逝去後すぐ 死亡診断書をもらう(事故の場合は死体検案書) すべての人 病院(事故の場合は警察)
親族に連絡、葬儀社を決定(お寺さんの手配、お通夜、お葬式の打ち合わせ) すべての人 親族・葬儀社
7日以内 死亡届を提出 すべての人 本籍地または死亡地、または住所地の市区町村役所
マイナンバーカードの返納(返却は不要だが失効手続き)
埋火葬許可証交付申請
逝去後できるだけ早く 退職手続き、最終給与の支払い、退職金の有無 故人が勤めていた場合 故人の勤務先
国民健康保険の資格喪失手続き(マイナ保険証は失効) 国民健康保険加入者 住所地の市区町村役所
健康保険証(本人の保険証)、被扶養者(家族)の保険証返還 会社の被保険者 故人の勤務先の健康保険組合
国民年金加入状況変更の手続き(扶養から外れ、新たに年金に加入) 配偶者が故人の扶養に入っていた場合 住所地の市区町村役所
10日以内
(14日以内)
年金受給権者死亡届 厚生年金受給者の場合は10日以内
(国民年金受給者は14日以内)
年金事務所または年金事務センター
加給年金額対象者不該当届(対象者が亡くなり加算の条件から外れたとき) 厚生年金の受給者で加給年金を受けていた人 年金事務所
14日以内 国民健康保険の加入手続き 故人の扶養に入っていた人 住所地の市区町村役所
住民票の世帯主変更届 故人が世帯主の場合 住所地の市区町村役所
介護保険被保険者資格喪失届 介護サービスを受けていた人 住所地の市区町村役所
その他手続き(故人の状況により異なる)
・老人医療受給者の手続き
・特定疾患医療受給者の手続き
・身体障害受給者の手続き
・児童手当の手続き など
必要に応じて 市区町村役所など
1か月以内 雇用保険受給資格者証の返還 失業給付を受けていた人 受給手続きを行ったハローワーク
葬儀が終わったら速やかに 電気・ガス・水道・NHKなどの契約者名義変更 必要に応じて 各契約先
銀行口座の凍結・キャッシュカードの解約 必要に応じて 金融機関
新聞・固定電話・インターネットなどの名義変更や解約 必要に応じて 各契約先
家屋・土地などの賃貸借契約に関する手続き 故人が賃貸物件に住んでいた場合 賃貸物件の貸主
携帯電話・クレジットカード類の解約 必要に応じて 各契約先
運転免許証・パスポートを返納 必要に応じて 警察署・運転免許センター・旅券事務所
サブスクリプションサービス・通販サイトのアカウント・スポーツジムなどの会員権の解約 必要に応じて 各契約先
固定資産税・住民税の請求先を変更 必要に応じて 市区町村役所
葬儀が終わって落ち着いたころに
(数週間以内)
遺言書の有無の確認 すべての人 公正証書遺言(公証役場)/自筆証書遺言(法務局)
相続人の調査、相続財産の調査と評価、負債の有無の確認 すべての人 (届出先なし)
遺言書検認の申立て 遺言書があれば 遺言者の住所地を管轄する家庭裁判所
3か月以内 相続放棄・限定承認の申述 必要に応じて 被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所
4か月以内 所得税の準確定申告をする・青色申告を引き継ぐ 必要に応じて 税務署
遺産分割協議がまとまれば
(生活が落ち着いたら)
遺産分割協議を行い、遺産の分け方を決める 遺言書がなければ (届出先なし)
銀行・証券口座、株式などの名義変更・解約 必要に応じて 銀行・証券会社
死亡保険金の請求 故人が生命保険に加入していた場合など 保険会社
自動車の名義変更 必要に応じて 運輸支局など
6か月以内 特別寄与料の請求 被相続人の介護をした人(他要件有り) 他の相続人など
10か月以内 農地を相続した場合:農業委員会への相続の届出 相続によって農地を取得した人 法務局(相続登記)/農業委員会
相続税の申告と納税 必要に応じて 被相続人の住所地を管轄する税務署
1年以内 遺留分侵害額請求 必要に応じて 他の相続人など
2年以内 埋葬費支給申請 / 葬祭費支給申請 社会保険、国民健康保険に加入していた場合 健康保険組合や協会けんぽ / 住所地の市区町村役所
労災葬祭給付申請 労災保険適用の場合 勤務先を所轄する労働基準監督署
国民年金の死亡一時金の請求または寡婦年金の請求 国民年金のみに加入し、受給要件を満たした場合 住所地の市区町村役所
介護保険給付金の請求(介護保険料を多く納めていた場合等) 条件に該当すれば 住所地の市区町村役所
高額療養費の支給申請(自己負担の上限を超えた分) 必要に応じて 加入している公的医療保険により市区町村役所
遺族(補償)年金前払一時金 労災保険適用の場合 勤務先を所轄する労働基準監督署
3年以内 不動産の相続登記手続き 不動産を相続した人 不動産の所在地を管轄する法務局
5年以内 遺族基礎年金の請求 故人が国民年金加入者で受給要件を満たした場合 年金事務所
遺族厚生年金の請求 故人が厚生年金加入者で受給要件を満たした場合 年金事務所
中高齢寡婦加算 遺族厚生年金受給者のうち、要件を満たした場合 年金事務所/住所地の市区町村役所
未支給年金を請求(逝去した月分までの年金を請求できる) 故人が年金受給者だったとき 年金事務所
(夫が逝去した場合)考えてから 復氏届を提出(姓を旧姓に戻す) / 姻族関係終了届を提出(死後離婚をする場合) 必要に応じて 市区町村役所

※上記は一般的な手続きの一例です。状況により異なる場合がありますので詳細はお問い合わせください。

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